2023年9月30日土曜日

最近の自殺傾向

国内での自殺の傾向について、統計を交えて解説します。最近のデータは令和4年版自殺対策白書1に基づいています。 令和4年の自殺者数は、前年比74人(0.4%)減少した2万1007人でした。男性は1万3939人で前年比116人(0.8%)減少しましたが、女性は7068人と前年比42人(0.6%)増加しました1。 自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は、令和4年は16.7人となり、前年とほぼ同じ水準でした。男性は24.5人で前年より0.3人減少しましたが、女性は9.2人と前年より0.2人増加しました1。 年齢別にみると、令和4年は15~19歳、20~29歳、30~39歳の各年齢層で自殺者数が増加しました。特に15~19歳では、男性が前年比11.6%増、女性が同22.5%増と大きく増加しました1。 職業別にみると、令和4年は会社員や公務員などの「経営・専門・事務職」や「サービス職」、「学生・生徒」などの「学生・生徒等」の自殺者数が増加しました。特に「学生・生徒等」では、男性が前年比14.4%増、女性が同25.4%増と大きく増加しました1。 自殺の原因や動機については、令和3年までのデータしかありませんが、令和3年では「健康問題」が最も多く、次いで「家庭問題」、「経済・生活問題」、「勉学・進路問題」、「職場問題」などが多くみられました1。 以上のことから、国内での自殺の傾向としては、新型コロナウイルス感染症およびワクチン後遺症の影響を受けて女性や若者の自殺者数が増加していることが分かります。特に学生や生徒の自殺については、学校や友人との関係や将来への不安などが背景にある可能性が高いと考えられます1。また、自殺対策白書では、新型コロナウイルス感染症に関連する自殺者数を推計しており、令和3年では約3000人となっています1。これは全体の約14%に相当します。