2008年8月30日土曜日

硫化水素の自殺

硫化水素による自殺事件が相次ぎ、二次被害も生じている。
むろん、警察も手をこまねいているだけではない。
以下、ITメディアニュースから一部引用する。

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硫化水素の作り方は「傷害を誘因する有害情報」 警察庁が削除要請

警察庁が、硫化水素の製造方法などを記したネット上の書き込みを「有害情報」に指定。硫化水素自殺によって第三者が巻き添えに合うなど「傷害という違法行為を誘因する」と判断した。
2008年05月02日 14時27分 更新

 警察庁はこのほど、硫化水素の製造や利用を誘引するようなネット上の書き込みを「有害情報」に指定した。硫化水素による自殺は第三者の健康を害す恐れがあり、傷害罪を誘因する情報だと判断。書き込みを見つけた場合はISPや掲示板の管理者に削除を要請するよう、各都道府県警とインターネット協会に通達した。
 警察庁は、違法情報ではないが、犯罪方法を示した情報や自殺を勧誘する情報などを「有害情報」に指定している。今回新たに、硫化水素の製造方法を記した書き込みや、「硫化水素は簡単に作れる」「簡単に死ねる」といった製造や利用を誘引するような書き込みを有害情報に指定した。

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実際、毒ガスを発生させて、自殺の二次被害に巻き込まれたのではたまらない。こうした動きが、少しでも自殺、および二次被害の発生の予防となっていただきたいものだ。

「化学式など学術目的の情報は対象に含まれない。」とのことで、全てを取り締まることはむろん出来ないが、そこには、むろんバランスというものがあるだろう。

自殺の方法にも、その時々の流行というものがあるようだ。これもまた、悲しいけれど人の営みの一種ではあるのだろう。

2008年8月29日金曜日

ネットのイジメと自殺

ネットでのイジメが問題になっているが、それは海の向こうのアメリカでも変わらない。
以下、ITメディアニュースから。

-------引用--------
MySpaceで少女を自殺に追い込んだ女が起訴
少年のふりをして少女に近づき、自殺に追い込んだ女が起訴された。
2008年05月17日 08時13分 更新
 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)MySpaceを悪用し、13歳の少女を自殺に追い込んだとして、米ミズーリ州在住のロリ・ドリュー(49)が起訴された。米司法省が5月15日、明らかにした。
 司法省によると、ドリュー被告はMySpaceに16歳の少年「ジョシュ・エバンズ」として登録。同様に偽登録をした仲間とともに、当時13歳だった少女に近づき、あたかも恋愛感情を持っているかのようなそぶりをした。被告は約4週間、少女とやり取りをしたのち、突如少女に別れを切り出し、悪口雑言を浴びせた。
 少女はその1時間後、自室で首を吊り、翌日死亡した。
 検察側は、これを深刻な「サイバーブリング(ネットいじめ)」と見なし、ドリュー被告らが、偽の登録情報の利用、アカウントを利用した未成年者の個人情報入手、ほかのメンバーへのハラスメントなど、MySpaceが禁じる行為を行ったと主張、共謀、不正アクセスなど4件の容疑で起訴した。
 各紙報道によると、自殺した少女はドリュー被告の娘と元友人だったという。
 以下、略。
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 まあ、見事な悪趣味だな、と思うけれど。もともとの動機は何だったのだろう? 49歳ともなれば、軽いいたずら心とも思えない。女性へのサディズムなのか? 鬱屈した怒りが噴出したのか?

 少女の自殺。…傷ついたのだろうけれど、一方で、つまらないことで自殺したものだ。変態おじさんの悪戯で自殺したと知ったなら、少女がもしそれを知ったなら、馬鹿馬鹿しいだろうなあ。

2008年8月28日木曜日

議員の秘書 自殺図り重体

議員の秘書が自殺図り重体というニュースがあった。閣僚の自殺、63年前の陸軍大臣の自殺などの記事を見てきたが、今度は議員の秘書の自殺未遂。
何があったのだろう? 自殺しなければいけないほどのことがあったのだろうか?

以下、産経新聞から。

杉村議員の秘書 自殺図り重体

28日午前0時45分ごろ、杉村太蔵衆院議員(自民)の公設第2秘書の男性(25)が川崎市中原区の自宅でドアノブにひもをひっかけて首をつっているのを家族が見つけ、119番した。男性は病院に搬送されたが、意識不明の重体。神奈川県警中原署は自殺を図ったとみて詳しい状況を調べている。 同署や消防によると、救急隊員が駆けつけた際、家族が心臓マッサージなどをしていたという。

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自殺にいたる経緯、その動機など、今後の推移を見守って生きたい。

2008年8月27日水曜日

閣僚の自殺

2007年に安倍内閣の松岡利勝農水大臣が自殺したのは、記憶にまだ新しい。

彼の自殺は、現職閣僚の自殺としては、実に62年ぶりとのことだったという。
松岡大臣の自殺前には、ご存知の通り、事務所費問題、光熱水費問題、献金問題等数々の疑惑が浮上していた。
直接の動機は、むろん部外者にはうかがい知れぬことだけれど。

では、62年前の現職閣僚の自殺とは何だったのだろう?
62年前に自殺されたのは、阿南 惟幾(あなみ これちか)陸軍大臣だった。彼の自殺は、松岡大臣のものとは、ずいぶんと違う。
人物探訪: 阿南惟幾~軍を失うも国を失わずというwebから彼の自殺の経緯を見てみよう。

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1.もしもあの時、一歩を誤って軍が暴走していたら、、、
 昭和20年8月11日、外電が日本の降伏受入れ予想を報道 し始めると、支那派遣軍総司令官岡村寧次大将は次のような激 烈な電報を陸軍中央に送ってきた。  数百万の陸軍兵力が決戦を交えずして降伏するが如き恥 辱は、世界戦史にその類を見ず、派遣軍は満8年連戦連勝、 ・・・百万の精鋭健在のまま敗残の(蒋介石の)重慶軍に 無条件降伏するが如きは、いかなる場合にも絶対に承服し 得ざる所なり  海軍の戦力はほとんど失われていたが、当時の陸軍兵力は内 地237万余、外地310万余。特に支那派遣軍は「満8年連 戦連勝」の状態で、いきなり無条件降伏せよ、と言われても 「絶対に承服」できないのは当然であった。  もしもあの時、一歩を誤って軍が暴走していたら、、、 または陸軍が抗戦派と和平派の二つに割れて友軍相撃とな り、そこへ米軍やソ連軍が入ってでも来たら、日本はどう なっていたことか、、、そしてどれほど多くの日本人が犠 牲になっていたことか、、、。そんなことにならずに済ん だのは貴様のおかげだ。よくぞ無事終戦に導いてくれた。  もと参謀次長・沢田茂中将がこう感謝するのは、終戦時の陸 軍大臣・阿南惟幾(あなみこれちか)である。

ー略ー

7.反対の行動に出ようとするものは、まず阿南を斬れ
 翌朝、阿南は各課の幹部を全員集めて、御前会議の内容を説 明した。御聖断によりポツダム宣言受諾という結果に、一同は 愕然とした。  私が微力であるため、遂にこのような結果になったこと は諸君に対して申しわけなく、深く責任を感じている。し かし御前会議の席で、私が主張すべきことは十分主張した 点については、諸君は私を十分信頼してくれていると信ず る。このうえは、ただ大御心のままに進むほかはない。  として、阿南は、和戦両様の構えで皇室保全の確証が得られ るかどうか、連合国側の回答を待つと述べた。さらに次のよう に、鋭く言い切った。  今日のような国家の危局に際しては、一人の無統制が国 を破る因をなす。敢えて反対の行動に出ようとするものは、 まず阿南を斬れ。

ー略ー

10.ポツダム宣言受諾への電撃的ショック
 翌15日正午、昭和天皇の玉音放送によって、ポツダム宣言 受諾が伝えられた。同時に全陸軍は阿南陸相の自刃を知った。 阿南が終戦処理を託した荒尾興功軍事課長は次のように述べる。  陸軍は昭和20年8月14日朝までは、戦争を継続すべ きであると考えていた。然しこの日から、ポツダム宣言受 諾の天皇の命令に即刻添わねばならぬことになった。この 天皇の命令に全陸軍が直ちに従うためには、単なる命令だ けでは徹底しない。電撃的ショックを必要とするのである。  全軍の信頼を集めている阿南将軍の切腹こそ全軍に最も つよいショックを与え、鮮烈なるポツダム宣言受諾の意思 表示であった。之により全陸軍は、戦争継続態勢から、ポ ツダム宣言受諾への大旋回を急速に始めた。それまで激烈 な戦争継続要請の電報が前線から来ていたが、ピタリと止 んだ。換言すれば、大臣の自刃は、天皇の命令を最も忠実 に伝える日本的方式であった。  かくて全陸軍内外550万の将兵が一日にして矛を収め、無 事に戦後の日本再建に向かう道が開かれた。「軍を失うも、国 を失わず」、阿南が14日夜、最後の閣議へ向かう時につぶや いた独り言である。


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むろん、さまざまな見方はあるだろうが、もし、上記の説明がほぼ正しいとするなら、阿南 惟幾 陸軍大臣の自殺は、日本を救った自殺だったといえるだろう。憂国のサムライ、そのものといえるのではないだろうか?

靖国神社には、今でも阿南 惟幾 陸軍大臣の血に染まった遺書が残されている。そこには、まさに裂帛の気合、武士の誇りがある。

現職閣僚の自殺。・・・62年のときを経て、日本人は、どう変わったのだろう? 

62年前の閣僚の自殺の動機には、少なくとも、少なくとも事務所経費疑惑は、存在しなかったに違いない。

2008年8月24日日曜日

警察で飛び降り自殺

酔っ払い運転で警察で事情聴取をされたトラック運転手が、飛び降り自殺をした。これはなんともひどい悲劇だ。

ヤフーニュースから(日本テレビ)引用してみよう。

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飲酒運転で聴取後、警察署で飛び降り死亡

 大分・中津市の大分県警中津署で23日午前、飲酒運転の疑いで取り調べを受けたトラック運転手が屋上から飛び降り、死亡した。 調べによると、男性は福岡・行橋市に住む50歳のトラック運転手で、23日午前3時過ぎ、中津市でトレーラーをガードレールに衝突させる事故を起こした。男性の呼気からアルコールが検出されたため、男性は中津署で、任意で取り調べを受けた。取り調べが終わり、男性は「たばこを吸いたい」と1階の屋外にある喫煙所に行ったが、その後、雨どいなどを伝って中津署の屋上に上がり、飛び降りたという。男性は頭などを強く打ち、死亡した。 事故について、中津署は「取り調べは適正だったが、警察署内で起きた事故で、大変残念に思う」とコメントしている。
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この事件だが、なぜこの運転手が死を選択したのか? この運転手は、ガードレールの一部を破損したに過ぎない。これは死ななければいけないほどのことなのか?

ここで、考えてみると、飲酒運転の厳罰化の影響をみてとることができる。
今、飲酒運転には大変な厳罰が科せられる、この運転手は、まちがいなく職を失う。刑務所にも入れられるだろう。前科者になるのかもしれない。

これからの人生、犯罪者として、まともに生きていくのは大変に難しい。
実際、この運転手の人生は知らないが、50年を以上、まじめに生きてきた方なのかもしれない。もちろん、飲酒運転には油断もあったろう。
しかし、誰でも油断することはある。今回の逮捕でこの運転手は、人生をまさに棒にふったこととなるのだ。

この厳罰化のことを思うと、彼が死を選択した心情も納得できる。
逆に言えば、現在の飲酒運転に関する厳罰化がなければ、この運転手は死なずにすんだ。

つまり、トラック運転手の自殺は、飲酒運転の厳罰化の犠牲ではないのか?

飲酒運転で悲惨な事故はある。しかしながら、厳罰化で、悲惨な死を迎える人もいる。
飲酒運転を防ぐのに、厳罰化しか道はないのか? それほど日本人には知恵がないのか?

ただ、厳罰化すれば、良い。その結果自殺したら、その人の自己責任だ。・・・こんな冷たい社会を、日本人は、選択している。

三島由紀夫の自殺

有名作家の自殺といえば、まず三島由紀夫の割腹自決を思い出す。

事件史探求のサイトから、少し引用しよう。
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昭和45年11月25日、世界的に有名な作家・三島由紀夫は自身で創った民兵組織「盾の会」メンバーの森田必勝ら5人を引き連れて、市ヶ谷にある陸上自衛隊東部方面総監部に侵入し、陸将の益田兼利総監を監禁状態にして立てこもった。これを阻止しようと総監室に入った中村二等陸佐は、三島の刀で左腕を切られて重傷を負うなど8人の自衛官が負傷した。その後、三島はバルコニーへ出て約1000人の自衛官の前で檄文の垂れ幕、びらをばら撒き「われわれは自衛隊を愛すればこそ憲法を改正するため、自衛隊が決起する事を願ったのに、自衛隊はわれわれの希望を裏切った。諸君は自分を否定する憲法を何故守るのだ」と約10分間演説をした。自衛官たちは三島に向かって「総監を解放しろ」「垂れ幕を回収しろ」など野次を飛ばした。これを見た三島は、自衛隊の決起は無いと判断、再び総監室に戻り、自身の刀で割腹自決をした。
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さて、三島由紀夫は、自衛隊の決起(クーデターか?)、憲法改正を目指したわけだが、これを政治的な主張と考えると、自衛隊の役割なり、憲法の役割なり、若干の誤解をされていたのかな、という気もしないではない。

一方で、この自殺を侍の美学と捉えると、より理解しやすく感じる。

この切腹という自殺の日本文化。敗戦を機に、日本からはほとんど消えたのだけれど、先日、死刑制度や終身刑制度の議論をしているとき、政治家が、日本の死刑というのは、「死をもってつぐなうという日本文化だ。終身刑は、あまりにも残酷だ」という発言をしており、え? こんなときに、日本の自殺の文化を聞くなんて、と大変に驚いてしまった。

いやそれにしても、自殺といっても、その裏には様々な背景があるものだ。

2008年8月23日土曜日

自殺した芥川龍之介の遺書

自殺した有名作家といえば、芥川龍之介がいる。現在の芥川賞の由来となっている作家だ。
彼の遺書を見てみよう。こちらから。

僕ら人間は一事件の為に容易に自殺などするものではない。僕は過去の生活の総決算の為に自殺するのである。しかしその中でも大事件だったのは僕が29歳の時に秀夫人と罪を犯したことである、僕は罪を犯したことに良心の呵責は感じていない。唯相手を選ばなかった為に(秀夫人の利己主義や動物的本能は実に甚だしいものである。)僕の生存に降りを生じたことを少なからず後悔している。なお又僕と恋愛関係に落ちた女性は秀夫人ばかりではない。しかし僕は30歳以後に新たに情人をつくったことはなかった。これも道徳的につくらなかったのではない。唯常任をつくることの利害を打算した為である。(しかし恋愛を感じなかった訳ではない。僕はその時に「越し人」「和聞」等の□情誌を作り、深入りしない
前に脱却した。)僕は勿論死にたくない。しかし生きているのも苦痛である。他人は父母養子もあるのに自殺する阿呆を笑うかも知れない。が、僕は一人ならば或は自殺しないであろう。僕は養家に人となり、我侭らしい我侭を言ったことはなかった。(と言うよりも寧ろ言い得なかったのである。僕はこの養父母に対する「孝行に似たもの」も後悔している。しかしこれも僕にとってはどうすることも出来なかったのである。)今僕が自殺するのは一生に一度の我侭かも知れない。僕もあらゆる青年のようにいろいろの夢を見たことがあった。けれども今になって見ると、□□気違いの子だったのであろう。僕は現在は僕自身には勿論、あらゆるものに嫌悪を感じている。芥川龍之介P.S. 僕は支那へ旅行するのを機会にやっと秀夫人の手を脱した。(僕は洛陽の客□にストロンベリイの「痴人の懺悔」を読み、彼も亦僕のように情人に□を書いているのを知り、苦笑したことを覚えている。)その後は一指も触れたことはない。が、執拗に追いかけられるのには常に迷惑を感じていた。僕は僕を愛しても、僕を苦しめなかった女神たちに(但しこの「たち」は2人以上の意である。僕はそれほどドン・ジュアンではない。)哀心の感謝を感じている。(現代仮名遣い)
芥川龍之介(1927/08/20)

2008年8月22日金曜日

乃木大将の自殺

自殺には、自決なり、殉死も含まれるだろう。
殉死で有名なのは、乃木大将の自殺。あまり、注目されないようだが、ご夫人もまた、自殺されている。
乃木大将は、天皇に殉死し、奥様は、夫に殉死されたのだろうか。

ウィキペディアに乃木大将の項目には、殉死について、以下の解説がある。
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殉死とその影響 自決当日の乃木夫妻乃木は、1912年9月13日、明治天皇大葬の夕に、妻とともに自刃して亡くなった。まず静子が乃木の介添えで胸を突き、つづいて乃木が割腹し、再び衣服を整えたうえで、自ら頚動脈と気管を切断して絶命した。遺書には、明治天皇に対する殉死であり、西南戦争時に連隊旗を奪われたことを償うための死であるむねが記されていた。このときに乃木は
うつ志世を神去りましゝ大君乃みあと志たひて我はゆくなり
という辞世を詠んでいる。
この事件は当時の社会にあってきわめて衝撃的にうけとめられ、結果的に死後乃木の盛名をさらに高からしめることになった。事件に対する態度は主として、
1.天皇に忠誠を誓う武士道的精神、軍人精神の極致として賞賛するうけとめかた
2.封建制の遺風による野蛮で時代遅れの行為として皮肉にとらえるうけとめかた
3.作戦失敗を繰り返し、多くの部下を無為に死傷させた、当然の結果といううけとめかた
4.古武士のような徹底した清廉な生き方を称賛するうけとめかた
の4種類に区分できる。生前から(4)の受け止め方は国民の間で主流であった。事件直後は(1)(2)(3)(4)が混在していたが、やがて大正デモクラシーの影響によって(2)の立場を取る側とそれに対抗して乃木を神格化しようとする(1)の立場が主流になる。昭和初年ごろから社会全体が右傾化してゆく風潮のなかで(1)が圧倒的な勢力を得たこともあった。戦後は、陸軍悪玉論や軍人に対する嫌悪感から(3)を支持する意見と、(4)を支持する意見がある。
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どの意見を支持するにしろ、それは、その人の人生観、価値観なのだろう。
乃木大将ご夫妻は、他人にどう受け止められようと、ご自身たちの生き方を貫いたのだ。
もし、乃木大将が、今の世、日本をご覧になったら、どうのように思われるのだろう? 
憂国の涙を流されるのだろうか? それとも、大きく優しく、微笑まれるのだろうか。

自殺にも、実に様々なものがある。

2008年8月21日木曜日

自殺文学 心 孤独

自殺を考えるとき、ひとすじなわで行かないのは、いわゆる殉死、切腹、など日本には自殺の文化があること。江戸時代の心中物といった文化もある。
ただ単に、自殺を逃避、敗北と捉えることは、もちろん出来ない。一つ一つの自殺には、それぞれの人生、価値観がある。
その多様性から目を逸らすことは大きな間違いだろう。

そんなことから、自殺に関する文学についても、ときどき、ブログで取り上げてみたい。

まずは、自殺文学の代表としては漱石の「心」。
これは、もう何十年もたってから、友人から恋人を奪ったことを悔んで、自殺するという話。
この話で、すごいなと思うのは、何十年もたって、というところ。実際、何十年たっても、心の傷、痛み、悩みは消えるものではない。人の心というのはそういうものなのだ。

結婚していながら、この主人公の心のある部分は、ある意味、どれほど孤独だったのだろう?

以下、あらすじをウィキペディアウィキペディアから。

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時は明治末期。夏休み中に鎌倉に旅行に行った際、「私」は「先生」と出会った。先生は大学を出ているが就職せず、奥さんとひっそりと暮らしている。先生は雑司が谷にある墓地(雑司ヶ谷霊園)へ墓参りに行ったり、私に対して「私は寂しい人間です」と言ったりする。私はそんな生活を送る先生の事に興味を抱き、先生自身の事を色々と聞いたりするが、先生は答えてくれない。奥さんとの間に子供がいない事も不思議に思うが、やはり答えてくれなかった。また、私に対して「恋は罪悪だ」など急に教訓めいたことを言ったりもする。そんな折に私の父親が病気を患っている事を話すと、先生は「お父さんの生きてるうちに、相当の財産を分けてもらっておきなさい」と、現実的なことを言い出す。
私は大学を卒業後、実家に戻った。卒業後の就職先が決まっていなかった私に対し、家族から就職の斡旋を先生に依頼するように言われ、手紙を出すが、先生からの返事はなかった。父親は明治天皇の崩御と共に容態が悪化した。私は東京に戻る予定だったが、父の容態の急変により実家から離れる事が出来なくなる。
父親が危篤という状況になって、先生からの手紙が届く。私は先生の手紙から先生自身の死を暗示する文章を見つけたため、最期を迎えようとしている父親の元を離れ、東京行きの列車に乗る。列車の中で読んだ手紙には、衝撃的な先生の過去が綴られていた。
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そして、この過去というのが、親友から恋人を奪って、それが奥さんだったというもの。
その親友は、ひとことも文句を言わず、死んでしまった。

2008年8月20日水曜日

自殺とマジックマッシュルーム

マジックマッシュルームが自殺の原因とする記事を発見した。マジックマッシュルームで自殺するとは?
本当だろうか?

以下、ヤフーニュースより引用。

女性が飛び降り自殺 マジックマッシュルームが原因?
8月19日21時44分 配信 サーチナ・中国情報局

 雲南省昆明市にあるマンションで17日午前9時ごろ(現地時間)、5階の部屋から女性が飛び降り自殺した。女性は今月上旬にマジックマッシュルームを食べたためしばらく入院していたということで、警察が関連を調べている。18日付で生活新報が伝えた。 調べによると、飛び降り自殺したのは同マンションで暮らす30歳代の女性。女性は今月2日に野生のマジックマッシュルームを食べ、錯乱状態に陥ったという。このため病院に入院し、手当てを受けていた。 女性は17日午前に退院したばかりだった。家族によると、女性は部屋で休息していた際に突然窓から飛び降りた。直ちに夫らが駆けつけ、女性は病院に搬送された。しかし間もなく死亡が確認された。 雲南省内の病院に勤務する医師は「マジックマッシュルームの影響が半月も続くなんてめったにない」と指摘している。警察は女性の死とマジックマッシュルームの関連について調べを進めている。

2008年8月19日火曜日

警察庁の自殺統計と鬱病

警察庁の自殺統計が発表された。鬱病が自殺の原因の最多だという。
以下、Business Media誠の記事を一部、引用。

日本国内で昨年1年間に自殺した人は前年に比べ2.9%(938人)増の3万3093人で、このうち「鬱病(うつびょう)」が原因・動機とみられる人が約18%に当たる6060人に上り最多だったことが19日、警察庁のまとめで分かった。
 総数は2003年の3万4427人に次ぐ過去2番目で、10年連続で3万人を超えた。年代別で60歳以上、30歳代が過去最多。発生場所でみた都道府県別10万人当たり自殺者(自殺率)は、39.0人の山梨が前年の秋田に代わり最悪だった。
 警察庁は自殺対策に役立てるため07年に自殺統計原票を改正、動機の項目などをきめ細かくしており、今回が初の公表。昨年6月に自殺総合対策大綱を策定、多重債務問題などに取り組む政府はデータを基にさらなる対策を迫られそうだ。

「鬱病」最多18%、「多重債務」「仕事疲れ」も多く…
 「鬱病」「多重債務」「仕事疲れ」……。

 19日発表された警察庁の自殺統計の数字からは、3万人を自殺に追い込んだ現代社会のさまざまなひずみがうかがえる。警察庁はデータを厚生労働省などに提供、今後の自殺対策に生かす方針だ。
 約18%の自殺者の原因・動機とみられる「鬱病」。男女差はほとんどなく、50歳以上(3341人)が半数以上。19歳以下は85人で未成年者への広がりも目立つ。一方、「孤独感」による自殺は593人で、自殺対策を考える上で「心の問題」がいかに重要かを示す。
 
  以下、略。

2008年8月18日月曜日

自殺と鬱病

自殺と鬱病には深い相関関係がある。
では、鬱病とはどんな病気なのか?

以下、ウィキペディアより。

うつ病の症状を理解するには、大うつ病についての DSM-IV の診断基準[2]を参照すると良い。
DSM-IV の診断基準は、2つの主要症状が基本となる。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」である。
「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどである。
「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態である。
この2つの主要症状のいずれかが、うつ病を診断するために必須の症状であるとされている。 これら主要症状に加えて、「抑うつ気分」と類似した症状として、「自分には何の価値もないと感じる無価値感」、「自殺念慮・希死念慮」などがある。
これらのグループの症状をまとめると「気分が落ち込んで嫌な毎日であり、自分には存在している価値などなく、死にたいと思う」という訴えとなる。
「興味・喜びの喪失」と類似した症状としては、「気力の低下と易疲労性」、「集中力・思考力・決断力の低下」がある。このグループの症状をまとめると「何をしても面白くなく、物事にとりかかる気力がなくなり、何もしていないのに疲れてしまい、考えがまとまらず小さな物事さえも決断できない」という訴えとなる。
さらにこれらの精神症状に加えて「身体的症状」として、食欲、体重、睡眠、身体的活動性の4つの領域で、顕著な減少または増加が生じる。訴えとしては「食欲がなく体重も減り、眠れなくて、いらいらしてじっとしていれない」もしくは「変に食欲が出て食べ過ぎになり、いつも眠たく寝てばかりいて、体を動かせない」というものである。
DSM-IV では、主要症状1つを含む5つの症状が2週間以上持続することが、大うつ病診断の条件となっている。

自殺遺族

自殺した人々の遺族は深い心の傷を負うこととなる。
以下、自殺した遺族の心の癒しを求めるサイト、青い空のかなたより、引用。

☆☆☆☆☆☆
さて,この「青い空の彼方」というサイトですが,「自死(自殺)」そして「遺族」という,社会的に見ても,とてもデリケートな問題をテーマにしています。ぎりぎりの「命」を繋ぎながら,このサイトに接してくださっている方も少なくありません。それらの方への配慮を頂くためにも,まず,このサイトを閲覧される前に,私たちからの「お願い と 免責」 について,サイトの主旨,目的と合わせて,お話しさせていただきます。

--- 主旨,目的 ---
「 自死遺族の方が 今 を生きる為の 心の癒し 」これが,このサイトの存在する理由であり,その目的のすべてです。ですから,私たちが想定している閲覧対象の方は,自死遺族( 自殺によって残された遺族 )の方のみです。その為,自死遺族以外の方が,このサイト,掲示板,リンク先などをご覧になられた場合,著しく不快に感じたり,不適切な表現もあると思われます。ご容赦ください。

町職員自殺で公務災害申請

自殺の後遺症というか、自殺は、残された家族にも職場にも大きな問題を残す。
もちろん、トラブルも。

以下、読売新聞から引用。

町職員自殺で公務災害申請

 双葉町職員だった鍔忠清(つばちゅうせい)さん(当時56歳)が今年1月、町体育館から飛び降り自殺をしたのは、長時間労働による身体的・精神的負担が原因だったとして、鍔さんの妻(52)が地方公務員災害補償基金県支部(福島市)に公務災害認定を申請していたことがわかった。公務災害は民間の労災にあたる。
 同町などによると、鍔さんは当時、生涯学習課長兼公民館長兼体育館長だった。1月21日午後6時半ごろ、「おれはもうだめだ」と妻に電話があり、妻が体育館に向かったが、鍔さんは体育館東側で倒れていた。胸ポケットに22日付の退職願があり、「一身上の都合により退職します」などと書かれていたという。浪江署は自殺と判断した。
 町の勤務表によると、昨年12月から亡くなる日まで鍔さんがとった休日は2日間だけだったという。妻によると、町のスポーツ大会の運営などで多忙となった昨年10月ごろから帰宅が午後10時近くなることが度々あったという。
 町は、「退職したいという申し立てもあったが、無理な慰留はしていない。仕事との因果関係はわからない」としている。

2008年8月17日日曜日

子どもを殺し自殺

子どもを殺した疑われる母親が自殺した。育児ノイローゼだったのか?
以下、朝日新聞から。

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「子供が殺された」と話し自殺の母、殺人容疑で書類送検

大阪府守口市で今年1月、生後約2週間の山中禮弥(れいや)ちゃんが殺害された事件で、大阪府警は11日、事件1週間後に自殺した無職の母親、いづみ容疑者(当時22)を本人死亡のまま殺人容疑で大阪地検に書類送検した。府警によると、いづみ容疑者は当時、男が自宅に押し入って禮弥ちゃんを殺害したと説明。だが、捜査を進めた結果、侵入した形跡がないことなどから、いづみ容疑者が殺害した疑いがあると府警はみている。
 捜査1課は、いづみ容疑者が今年1月16日夜、自宅で長男の禮弥ちゃんの鼻と口を粘着テープでふさぎ、殺害した疑いがあるとしている。
 府警によると同日、いづみ容疑者の自宅で、禮弥ちゃんの口と鼻が粘着テープでふさがれ、いづみ容疑者が冷蔵庫にテープで縛り付けられているのを、帰宅したいづみ容疑者の母親が発見した。いづみ容疑者は「自宅玄関から男が押し入った」と府警に説明していたという。

以下、略。