辛いから、自殺する。
これは一つの自殺の原因だろう。生きていることがあまりに辛いから、辛さから逃げるために自殺するというものだ。
これはこれで、一つの選択ではあるのかも知れないが、辛さということを考えると、そこには自殺防止のヒントもある。
辛さというのは、実は大変に主観的なものであるのだ。
たとえば、窒息を想像していただきたい。ちょっと自分で息をとめると、窒息がどれほど苦しいものか、想像することができる。
窒息の恐怖にしろ、その苦しさにしろ、もちろん、誰にも耐えられるものではない。
しかしながら、一方で、酸素のなさを自分から楽しむ!としか言えない人々がいる。素もぐりの選手たちだ。
たとえば、無呼吸で100メートルもプールで泳ぐ競技がある。
選手たちの多くは、気絶する(気絶すると失格)。
つまり、気絶するほど、自分から辛さに耐えるのだ。それも、まさに自分からなのだ。
つまり、窒息の辛さも、自分から楽しむような人々がいる。彼らにとっては、これはむしろ、趣味。
同じ辛さでも、これほどの差があるのだ。
仕事でも何でも同じ。
ある人は楽しく同じ仕事をこなし、別の人は同じ仕事を、拷問のように感じる。
この辛さ、そして主観というもの。
ここに、自殺防止のヒントがないだろうか。